ワンルームマンションの含み資産と言う考え方をご存知でしょうか。
この含み資産を入れた利回りが、実態に近い利回りとしてみる事が出来ます。
ここで言う含み資産と言うのは、現在の時点で保有しているワンルームマンションを売却した時の価格、と言う事に成ります。
現金でワンルームマンションを購入した場合には、その金額が含み資産と言う事に成ります。
但し、その時点で不動産市況がありますので、購入した同じ金額で売却出来るとは限りませんので、含み資産の金額は変わって来ます。
つまり、その時点で売却できる金額を指します。
ではローンで購入する場合はどのような金額計算に成るのでしょうか。
ワンルームマンションを購入する人は、サラリーマンや公務員が多いので、ローンで購入する人が多いと思います。
ローンで購入する場合には、例えば2,000万円の物件を購入するとします。
頭金500万円、借入1,500万円とします。
すると、この時この物件の含み益は0円ですね。
購入後、ワンルームマンションの家賃収入が入って来ます。
このワンルームマンションの家賃の内、金融機関に返済する金額が7万円だったとします。
この金融機関に返済する中で、元金部分と金利の部分があります。
仮に元金部分4万円、金利部分3万円とします。
金利の部分は金融機関がお金を貸してくれる事に対しての費用ですので、これは金融機関の資産となります。
では元金部分はどうでしょうか。
これは、ローンを借りている1,500万円の内の金額で金融機関への返済7万円の内、4万円が元金部分です。
これは、借り入れた金額の内、家賃収入によって、所有者が得た利益です。
この部分が資産となるのです。
例えば、1年間12ヵ月で元金部分は4万円×12ヵ月=48万円です。
この48万円はローンの1,500万円の内返済されていますので、借入金額は1,500万円―48万円=1,452万円が残額に成ります。
もしこの時、ワンルームマンションが1,500万円で販売出来たとしたら、1,500万円ー1,452万円=48万円です。
売却した際に、残る金額が48万円有ります。
これが1年目にワンルームマンションが持っている含み資産と言う事に成ります。
この含み資産を投資した頭金500万円によって得た利益として考えた場合、48万円÷500万円=9.6%に成ります。
これが、投資金額に対して得られる利益として考えられるのです。
この部分の含み資産としての利回りは、9.6%と言う事に成ります。
よくインターネットで不動産会社がワンルームマンションの物件を紹介しており、その表面利回りを出していますが、それとは考え方が違います。
それは家賃収入から、金融機関への返済、大規模修繕積立金、マンション管理組合費、賃貸管理会社への集金代、固定資産税、経費、を引いた後の金額を利益として見て、その利益をワンルームマンションの物件価格で割ったものを利回りと言います。
不動産会社によっては、経費や固定資産税を入れない場合も有りますので、いろんな考え方がある様ですが、実際に不動産経営をすると、最終的にいくら現金が残ったかを利益として計算します。
その利益をマンションの販売価格で割ったものを利回りと言います。
これはたいていの場合1%程度です。
すると、この物件は利回り1%と言う事に成るのです。
これを見ると、利回りが低いなーとみる事に成ります。
でも、含み資産としての考え方をすると、この1%とは別に、9,6%が利回りと言う事が出来るのです。
すると合計すると、10.6%と言う事に成ります。
税引き利益を計算すると、1%程度の利益が出ている事に成っていますので、これに税金がかかる事に成ります。
サラリーマンの場合ですと、年収によって所得税率が変わって来ますので、一概には言えませんが,700万円の所得で所得税20%と考えると、利益金額には大きくは変動がありません。
すると、この含み資産分の利回り、9.6%は税金で支払う必要はありません。
ですので、もしこの物件を売却すると48万円が利益として得る事が出来ます。
これがワンルームマンション経営をした場合の含み資産利益と言う事に成ります。
ワンルームマンションの経営としては含み資産として計上されますので、いざと言う時に販売すれば現金化される、という訳です。
もちろん頭金を500万円入れていますので、売却した際にはこの500万円も帰って来ますので、投資した金額はそのまま受け取る事が出来ますが、これは利益ではありませんので、含み資産では無く,ただの資産と言う事に成るのです。
ではこの計算はどのようにするのでしょうか。
この含み資産を知るためには、金融機関からの借り入れた条件を基に、元利均等返済法と言って、月々の返済額を出します。
その返済額の中で、金融機関への金利の部分と元金の返済の部分に分けるのです。
これは計算式が決まっていますので、この計算式に入れれば良いのです。
但し、この計算式が出ているインターネットの資料はありません。
これは私が個人で使っているシュミュレーションソフトならば計算が出来るので、それを使って算出して見ます。
物件価格 ¥2000万円
頭金 ¥500万円
借入金利 2,7%
返済期間 35年
とします。
すると、以下の様な計算に成ります。
毎月の返済額 ¥57,881円
この内金利分と元金分を分けて計算したのが下の表です。

瞬時に計算出来ました。
毎月の返済額の内、金利(利息)部分は35,750円、元金部分は22,131円です。
毎年この比率は変わっていきます。
最初は返済金額の内、金利部分の返済比率が多いのですが、年が経つごとに元金部分の返済が大きくなってきます。
自宅のローンと同じ考え方ですね。
含み資産はこの元金部分と言う事に成ります。
先ほどの計算は分かりやすくする為に数字を出しましたが、今回算出したこの毎月の元金部分の含み資産に成る部分は実際の数字に成ります。
これで、例えば10年ならばいくらの含み資産に成っているかを見れば、良いのです。
ちょっと見て見ます。

含み資産は3,052,844円です。
簡単に算出出来ました。
ですので、本来のワンルームマンションの収益以外に、含み資産と言う考え方を入れると、利回りの数字は大きく変わってくるのです。
ちょっと内容を見て見ると、元金の金額は金利の金額を上回って来ましたので、これからが資産が増えて来る時期に成ります。
含み資産の考え方によって、頭金の部分も入れてマンション自体の金額を資産と言う人がいますが、私は含み資産と言うのは、頭金や繰り上げ返済金は入れないで計算するようにしています。
ワンルームマンション自体が稼いでくれる金額。
これを含み資産と言う様にしています。
ちなみに、繰り上げ返済した場合の10年後の含み資産を算出して見ます。
10年間に2回100万円づつ繰り上げ返済したとします。

含み資産は3,379,235円でした。
ですので、繰り上げ返済した方が、含み資産が¥326,391円増えています。
繰り上げ返済は、金利が上がった場合のリスクヘッジや、返済の総金額が減少するので、お金をやりくりして返済した方が得策です。
コメントを残す